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【評価9.0/10】ピュア&ネオなワカプレ「ロレンツォイルマニーフィコ」で差し合いへし合いのインタラクションを堪能しよう

  • 執筆者の写真: 下村ケイ
    下村ケイ
  • 4月10日
  • 読了時間: 17分

更新日:19 時間前




●ルール概説

ワーカー4つのワーカープレースメント。

全員がワーカー4つを置ききったらラウンド終了。

ラウンド6終了時に勝利点がもっとも高いプレイヤーの勝利。


細かい点をすっとばすと、ワーカーを置いてコストを払ってカードをもらって、、、を繰り返すゲームです。


〇勝利点の集め方

①ゲーム中にもらえる点数


見るからに重要そうなアイコンで示されている数字が、もらえる勝利点を表しています。


即時で適用される効果にイナヅママークを使用するの、ボドゲあるあるって感じですよね。

上に貼ったカードの例ですと、カードを獲得したときに3点もらえて、

詳しくは後述しますが、「斧マークを起動させる」たびに1点、もらえます。

また、全6ラウンドのうち、

1~2を時代1、

3~4を時代2、

5~6を時代3と呼びますが、

各時代の終了時に信仰ラックを進めた分だけ点数がもらえます。


上の画像だと、青色のプレイヤーは時代の終了時に11点がもらえます。

ちなみに、時代1では3点分、時代2では4点分、時代3では5点分、進行トラックを進めていないとかなりきつめのデバフがゲーム終了時まで適用されたりします。ヴァチカンの評判、とても大事。


②ゲーム終了時にもらえる点数


続いて、ゲーム終了時に計上される点数について。



矢印マークは「ゲーム終了時に適用されるよ」と言う意味なので、

紫色のカードは、左から順に、それぞれ4点、4点、5点がもらえます。



また、個人ボードのほうにも描かれていますが、緑色カードと青色カードの

枚数によって別途勝利点がもらえます。


(上げ幅を見れば分かる通り、得点効率だけを考えるなら各色満遍なく集めるよりある程度色の構成を特化させた方が点数が伸びます)


また軍事力トラックというものがあるのですが、ゲーム終了時に一番軍事力を蓄えていたプレイヤーは5点、次点は2点というマジョリティ争いもオマケ程度に存在します。




〇カードの集め方

と言う訳で、カードを集めるのが主な得点の手段でありまた目的でもあるということが分かったところで、どうすればカードを獲得できるかを紹介します。



メインボードに並んだ4本の塔に、カードが並んでいます。

この塔の各フロアにワーカーを置くことでそのカードを獲得できる訳ですが、いろいろとルールがあります


①各ワーカーには効果値がある



この3色のダイスはラウンド開始時に振られ、全プレイヤーがその出目を共有するのですが、ワーカーの頭に貼られたシールに描かれた色と、ダイスの色が対応する形になっています。


つまり、写真の例だと黒のシールが貼られたワーカーの効果値は5となります。


そして、塔は上にいくほど高い効果値が要求されます。

一番上なんて、効果値7が要求されます。


出目は最高でも6なので、リソースのひとつである「使用人駒」を使って出目を底上げする必要があります。

また、カードによっては条件付きで特定の出目をゲーム中ずっと底上げしたりする効果もあります。


さて、写真にはダイスが3つしかありませんが、4つ目のワーカーが存在します。色が違うものは、出目が常に0という扱い。使用する際は出目の底上げが必須になります。



存在意義については③で出てきます。


②既にワーカーが置かれている塔にワーカーを置く場合、3金をサプライに払う


シンプル且つ悩ましいルールです。

うまく立ち回っていない限りこの3金というのがなかなか重たいので、常に順番の取捨選択が求められます。


③同じ色のワーカー駒は同じ塔に置けない。

つまり、既に自分のワーカーが置いてある塔には3金を支払おうが置くことができません。


ただ、先ほど登場した4つ目の駒。こちらは無色扱いになるので自分の色の駒が既に置かれていようが、要求されている出目さえ満たせば配置することができます。(無論、既に別の駒がある場合は3金払います)


〇各カードの特色

本作には4色のカードが存在して、それぞれ効果の方向性が少しずつ違います。


緑色カード:領土。主に資源を湧かせてくれる。たくさん並べるとゲーム終了時に勝利点がもらえるが、カードを並べるのには所定の防衛力を満たしている必要がある。


水色カード:手助けしてくれる人材。コストとしてカードごとにお金を要求されますが、ゲーム中ずっと使用できる底上げ系の能力だったりを付与してくれます。あと緑カード同様、たくさん並べるとゲーム終了時に勝利点がもらえます。


黄色カード:建物。コストとして各種資源が必要になる。何枚並べても勝利点はもらえないが、後述する「起動」で資源をお金に変換したり、勝利点に変換したりできます。


紫色カード:終了時に点数をもらえたり、即時効果でいろいろもらえたりする。そこそこコストが重いですが、先ほど緑カードの項で書いた「防衛力」で支払いができるカードも存在します。


〇エンジンビルド的な側面


これらのカードを並べていき、コストとなる資源やお金や、ひいてはそこから続く勝利点を道中できるだけ稼いでいこう、という訳ですが、本作にはエンジンビルド的な側面がありまして。


エンジンはビルドしたら稼働させないと意味がないですよね。

という訳で、さらりと触れた「起動」について説明します。



例えばこの斧のマークのところにワーカーを置きます。

対応するダイスの出目が3だとすると、



個人ボードに記載された斧、すなわち緑カードの下半分に記載されたカード効果の内、出目が3以下のものを任意の順番で発動させることができます。


ちなみに「歯車」のアイコンは黄色カードに対応しており、出目云々の話はまったく同じです。


〇教会に媚を売るか、勝利点のためにいばらの道をゆくか


先程ちらりと書いた「信仰トラック」ですが、、


この十字架マークで上げることができます。

時代終了時に規定数たまっていないと、破門。ゲーム終了時まで続くそこそこ痛いデバフを食らったりします。やばい。


ただ、敢えて破門効果を受け入れるのも実は有効な作戦だったりします。

というのも、信仰トラックは最大で30点まで伸びるのですが、破門を受ける場合は信仰トラック上のマーカーを初期位置に戻さない、と言うルールがあります。


上の写真の例ですと、(規定数以上である)11点をもらう→マーカーを0の位置に戻す。

と言う処理なのですが、それを一度蹴ることで、最終的に上がり幅が少しずつ上昇していくトラックの終わりの方までマーカーを進めやすくなり、最終的に30点という破格の点数がもらえる可能性が高まるのです。


ただ、上の写真ですと


・時代1終了時の破門効果→全ての色のダイスの出目をマイナス1したものとして扱う

・時代2終了時の破門効果→紫色カード獲得時、出目はマイナス4される


となかなか強烈なものになっています。ヴァチカンに媚びを売るか。さもなくば大量得点のための茨の道を進むか。ピーキーな戦略が好きな人はぜひ。


●感想


〇やってみないと分からなかった、この奥行


ゴーレムやニュートンが思いのほか楽しくて、次第にルチアー二の名前を意識するようになった当時の僕がロレンツォイルマニーフィコに出会うのは時間の問題だったように思います。実際、BGGなんかでも評価が高かったですし。ただ、ロレンツォに関するレビュー記事を読めば読むほど「本当に面白いのか?」と言う疑念はむしろ深まるような感じでした。なんといいますか地味というか、そりゃカード集めてエンジンつくって点数を稼ごう! と言う構造は確かにある程度は面白そうではあるのですが、各所で称賛されるほどの魅力が果たしてどこにあるのかが分からなかったと言いますか。


と言う訳で、実際に購入に踏み切るまでにやたらと時間がかかってしまったのですが、遊んでみたらなるほどこりゃ確かに称賛されるだけのことはあるのかとワカらされてしまった訳です。もしかしたらかつての僕と似たような思いを抱いている方がいるかもしれず、それによってロレンツォという優れたボドゲ購入に今ひとつ踏み切れないでいる人もいるかもしれない。そんな方の背中を押せたら、、みたいな気持ちでできるだけロレンツォの感想を言語化できたらいいなと思います。


〇ダイスの出目は基本的にままならない


ほんとに。

ままならない。そのためにある程度のリソースを割いて使用人駒で備えておきたい。と言う心の動きはかの傑作「ブルゴーニュの城」にも通ずるものがあります。


ただ、「ブルゴーニュの城」と決定的に違うのはダイスの出目が全プレイヤーで共通だということ。これにより「出目のせいで由々しき事態だ」の「由々しき」の程度がプレイヤーのプレイングによって露骨に浮き彫りにされるのです。


また、出目を底上げできる「使用人駒」ですが、ブルゴーニュの城では単純に出目を上げるためだけに存在しておりましたが、ロレンツォイルマニーフィコではカード獲得の際に使用人駒が要求されることもあります。なので、使用人駒をずらりと揃えて鉄壁の布陣だ、と意気込んでみたものの出目が思いのほか良くてなんだか腐ってしまった、という事態が起きづらく、出目が高めな感じなら蓄えた使用人駒をコストの方に振り分けることができる。


出目とその修正ひとつとっても、一意的になりにくい懐の深さを本作は確実に持っています。


また、出目が共有であることの無視できない利点のひとつは、ダイスロールが盛り上がると言うこと。なんせここで「6」を出すか「1」を出すかでカード獲得に費やすエネルギーが全然違ってしまう上に、その影響を受けるのが全てのプレイヤーなのですから。自分の

出目だけがやたら低くて「なんてBAD DAY!」と嘆くことはなく、「みんなBAD DAY! だからここから先はタクティクスの時間です」となるのです。


(すいませんビールの勢いで書いてしまいましたが、要は出目と言う運要素によって発生する良い影響、悪い影響が全プレイヤーに全く同じ条件で降り注ぐため、良い方向へ盤面を転がすか、悪い方向へ転がしてしまうかが純粋にプレイヤーの戦術によって決定され、それ故に運要素があったがために理不尽に悲しい思いをする、と言う事態が避けられると言う訳です)


良い方向へ転がすか、悪い方向へ転がすかはプレイヤー次第です。


そう、ダイスだけにね!


ダイスロール!!(ハンバーグと同じイントネーションで)



〇純度の高いワカプレ


と、よく分からないテンションで熱弁しましたが僕にとってダイスロール云々はあくまでオマケに過ぎません。僕はこれから「ワカプレの純度」について書いてみようと思います。


ワカプレの本質とは場所の奪い合いであります。

ボドゲにおける場所の奪い合いをさらに分解していくと「一手ずつ交互に望むパイを食べていく」みたいな要素に行き当たります。この「一手ずつ交互に」と言うのがミソであります。当たり前すぎてスルーしてしまいそうな条件ですが、ずっと俺のターンができない以上、どれだけ力を蓄えた立場であろうと、一手番で享受できる利益は一手番分の利益だけなのです。


そこから導き出し得る「ワカプレの本質」の一つは「優先順位」だと思います。ものすごく美味しい場所が二つあったとしても、手番を連続して行うことが叶わない以上、確実にありつけるのはその内の片方だけ。それ故に、相手の動きを読み切れなければ、最初のひとつ以降は後塵を拝するに甘んじなければならないのです。


ロレンツォは、その「読み」を面白くする仕掛けがはっきりとあります。


まずは、コストの問題。コストが支払えない=ワーカーを置けない、と言うルールのために「アクションを空打ちして、自分は得をしないけど、もっと得をしたであろう相手の動きを妨害する」と言う動きはできません。


このことから、自分が欲しい場所二つについて、相手の手元にある資源から相手が物理的に実行不能な場所は後回しにしてもよい、と言う思考が可能になります。


詰まる所、コレに似た思考の可能性が随所に鏤められています。

相手の盤面から「相手が何を取りたいか」「相手は何を取れるか」「相手の動きで自分がどれだけ困ることになるか」を読み取り、予想することで、優先すべきアクションと後回しにしても良いアクションが考えられるようになる。


詰まるところ、いかに「自分にとって有利になるアクションを積み重ね続けるか」なので、最低限の理解さえ経れば、あとはもう上の内容をいかに正確に読み取れるかと言うゲームになる。と僕は思っています。


教皇による破門や、エンジンビルドといった側面はあくまで彩りであり(その彩りのなんと楽しいことか)、詰まるところ純度の高いワカプレという核に帰結するのです


また、エンジンビルドとて、起動にはアクションスペースの取り合いがありますし

2人プレイだと「出目の下方修正がちょっと厳しいけど何人でも置けるよ」と言うアクションスペースが封鎖されるため、ラウンド中に起動スペースがとられると、せっかくくみ上げたエンジンを稼働させることすら難しくなるのです。


逆に言えば相手がどれだけ強力なエンジンを組んでいても、スタピの暴力を活かして起動スペースを封鎖し続けていれば相手はなにもできない訳です


ぞっとするほど残酷だ、、

だが土地の奪い合いとはかなりプリミティブな闘争の一形態であり、

直接的な対立の形こそとらないもの、

いやだからこそ入り組んだ互いの利害のために土地を奪ったり奪われたりするロレンツォは、夢中になれるだけの奥行があるのです


〇資源はカツカツ。だがうまくいけばきっと湧く


わざわざ高い出目のやつを取ってそこまで欲しい訳でもないカードをお迎えしてまでボーナスで資源貰う選択肢が普通に検討できるくらいかつかつです。


だもんだから、なおさら「都合の良いカードがとれるかどうか」が大事になり。先述のワカプレ要素がさらにくっきりと重要性を帯びるのです。


さらに、信仰トラックを上げないとかなり痛い永続ペナルティを食らうので、意図的に破門を受け入れるでもない限り、ただでさえ少ない手番、ただでさえ少ない資源を十字架に捧げなければなりません。だもんだから、十字架マークの付いたおいしいカードを先取りされた日にはもう、、


つまり、刺すようなインタラクションなのです。



〇根っこにあるのはシンプルな「場所の取り合い」「読みあい」

そこに、深みのある戦略が複数用意され、

適宜状況に合わせてアドリブを加えつつ、長期的目標を達成していく感じ


これが極上のボドゲ体験を生むのです




●レビューチェックリスト


1:深さ/複雑さ

「意思決定において、どれほどの困難≒楽しさが伴うか」

5点。まだふやけるほど遊び尽くしていないので過大評価している可能性は多くあるが、一見素っ気なく見えるカードの組み合わせの妙や立ち回りの個性で生じる無視できない奥行きは控えめに言ってもファンタスティック。と言いたい。拡張を入れない場合、毎ゲーム出現するカードは固定だが、毎ラウンド決定される出目や登場するカードの順番(それによって生じるコスト&ボーナス)によって最善手めいたものをどこまでも不確かにするこの幅は繰り返しのプレイに耐えうる深さだし、脳に汗をかかせるに耐えうる複雑さを持っていると思う。


2:メカニズム

「ゲームの設計はどれほど美しいか」

4点。ダイスのままならない出目を軸にロレンツォを考えると、そのままならなさをいかに乗りこなすかと言うゲームになる。では出目が低くても高コストのカードが取れるように小作人を集めれば良いかと言うと、リソースが総じてカツカツに過ぎるので小作人を集めすぎたしわ寄せは必ずどこかへ行く。まとめるなら「厳しいコストのままならなさ」×「ダイスの出目のままならなさ」をいかに乗りこなすか、という楽しみ方になる。そこに更に教皇トラックというノルマを課す。因数分解するとそれぞれはそう目新しいメカニズムの集合体ではないのかもしれないが、それらを組み合わせた際に生まれる「1+1は3以上」的な妙味により、ロレンツォイルマニーフィコが非凡なゲームになっているように思えてならない。



3:相互作用

「他プレイヤーとの絡みの量、質」

4.5点。散々この記事で書き連ねたように、語弊を恐れずに言うなら少し古いような感じのインタラクション。刺すか、刺されるか。多くを得るか、スポイルされるか。と言うインタラクションを満喫できる。「強いインタラクション」という語句を見かけると、僕は「相手の気まぐれで計画がめちゃくちゃにされるかんじ?」と言う歪んだ連想を時々するが、ことリソースがタイトなロレンツォにおいては気まぐれな気まぐれの介在に対して寛容ではないし、お互いの行動とその先読みがプレイの文脈においてある程度絞ることができる。その観点から言うと、脈絡のある何かから相手の行動を読み得るインタラクションで、読み切れなかった方の不利益。読み切れたら先取りでき。と言うインタラクションはとても刺激的で愉快だ。



4:オリジナリティ

「戦略、メカニズム、テーマはどれほど新鮮でユニークか」

3.5点。各サイコロの色に対応した駒のパワーが出目を参照する、というメカニズムはダイスドラフトの変奏としてそう目新しいものではないのかもしれない。むしろ、4色のカードごとのそれぞれの方向性というか、機能や個性の付け方に個性やオリジナリティを感じた。お金に変換しやすい黄色カードとか、木材や石を始めとしたリソースを増やせる緑カード、全般的なパワーアップが狙える青カード、紫カードという個性。そして「緑は上げると勝利点がもらえるけど防衛力を上げないと置けない」「黄色でお金を稼げるけど黄色の枚数それ自体で点数を伸ばすことはできない」みたいな個性とのかけ算も良き。つまるところオリジナリティとは組み合わせのことだと言った某の言葉がよぎる。


5:ムード

「テーマやアートワークはボドゲ体験をどれほど彩るか」

3点。古い版の日本語版ではカード名も和訳されていたらしいが、僕が手に入れた拡張同梱版ではカード名が筆記体の英語のため、基本的にカードとカードの差分は「効果の差分」でしかなく、フレーバーは匂い立たない。苦労して集めたカードを並べたところで世界観の奥行きなどが浮かび上がるでもない。それらの要素を「勝負に介在するノイズ」と捉えるか「欠けざるべきムードの欠如」と捉えるかで評価は分かれそうだ。そもそも塔の上の方の御仁は出目が必要だけどボーナスがもらえるなんて実質ラプンツェルじゃないか、なんて野暮も言えそうだが、そもそもの話、ロレンツォはそういった(語弊のある単語だが)枝葉にかかずりあっている余力があるなら勝負に没頭しちまえよぉ、と言うタイトルだと思っている。


ただ、宗教点に関してはかなり雰囲気がある。破門を受けると冗談じゃないレベルの永続デバフを受けるところとかも、過ぎし日のキリスト教一色だった世界観を連想するにあまりある雰囲気だ。



●主観的点数:5点(5点満点)


〇その理由

満点。まずはそう言わせて欲しい。理由? 誰かを好きになるのに理由なんていらねぇだろ!

……と言うフレーズだとビールを飲みながらタイピングしている意味がなくなるので、ロレンツォのどこが琴線に触れたのかを今一度ハッキリさせようと思う。


僕はボドゲのレビューを読んだりするのがとても好きなのだけど、レビューを読み漁っていると結構な頻度で

「強すぎるインタラクションは現代風でない」

と言う旨の言葉を見かける。現代なるものの嗜好が言わんとしていることは理解できる。荒々しいインタラクションは時にゲームの体験そのものを多少スポイルすると言うのも経験したことがある。僕自身、相手の気まぐれで計画が全部ひっくり返るようなボドゲは多分苦手の部類にカテゴライズしてしまうと思う。


だが、もしも完全にインタラクションを漂白したら、それはそれで寂しいなと思う程度にわがままなボードゲーマーだ。


そんなどっちつかずの合間を行ったり来たりして「現代風」インタラクションに慣れていた僕に、ロレンツォは衝撃だった。

より正確に言うと、ロレンツォのプレイに慣れてきて相手の盤面を観察できる余裕がでるようになってからのロレンツォは、衝撃だった。多分、この「衝撃」という漢字の読み方は「おもしろい」と思って差し替えないだろう。


どこまでもタイトで、カツカツで、ソリッド。故に、適当なプレイイングを許さず、それがために浮かび上がる各プレイヤーの動きを、インタラクションの場に引きずり出す。それを読ませ、計画させる。それがとても刺激に感じたのだ。

(言わんとしているうことがどれだけ書けているか不安だが、後日ここらへんは書き直すかもしれない)

荒々しいと言っても差し支えない。

そんな荒々しい「揺らぎ」を極めてユーロ的な場所で組み立てた。そこにロレンツォのマニフィコさはあるのではないだろうか。


・というわけで、ここから下などは後日書き足します。


●評価点の算出方法

チェックリストの平均点+主観的点数


●総評


●誰がこのゲームを好むだろう


●プレイ人数について



不明点や気になる点、間違いなどありましたらコメントまでお願いいたします。


●宣伝


・短編小説「常世の暁」

24時間夕焼けを見詰め続けていると、時に人は狂ってしまうらしい。

人々はビルの屋上から身投げをし、残された人間によってたくさんの詩が作られた。


昆虫学者として夕焼けの街に暮らす私は、

ある日、幻と呼ばれる蝶の話を耳にする。


(6000字程度。カクヨムにて公開中。画像をクリックすると該当ページに遷移します)



・生き抜け、専ら2人で。


——死ねば全ロスト

それでも僕らは闘う


兄弟DayZ実況、是非ご覧ください。

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・自己出版本「エレクトロ」



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